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近年、がん患者からリンパ球を取り出し、培養し、活性化させたナチュラルキラー細胞、免疫賦活活性化リンパ球、あるいは癌抗原特異的な細胞障害性リンパ球を患者さんの体内に戻して癌組織を攻撃治療する免疫療法が話題となっています。一部では癌組織と免疫担当細胞の一つである樹状細胞を培養し、癌のワクチン療法というものも開発されつつあるようです。これらの免疫療法の論理発想の多くは、癌細胞を攻撃する免疫担当細胞のみを対象として、それらを活性化するものです。癌の漢方治療の目的の一つは、免疫力を高めることですが、免疫担当細胞を非特異的に刺激するだけでなく、消化管の働きを活発化させ栄養の消化吸収を高め、血行や組織代謝を活発にし、臓腑の機能を高めるなどの効果によって、相乗的に体の治癒力を高めることを目的としています。免疫担当細胞だけを賦活するのではないという点が西洋医学の免疫療法と異なる点です。消化管の機能や血液循環や組織代謝などが悪化し、栄養状態や体力が低下していれば、西洋医学的な免疫療法を行っても十分な効果は得られるはずがありません。活性化された免疫担当細胞を高性能の銃器を持った兵にたとえれば、西洋医学的な免疫療法によって、体内に注入された兵隊は、はじめは、活発に癌細胞を見つけ攻撃していきます。しかし、敵は圧倒的に数が優勢なのです。やがて兵士は力尽きて本隊からの補給が必要になってきます。ところが、その本隊である患者さんがすでに回復しがたいダメージを受けているために、食糧の補給も弾薬の補強も出来ない状態になっていると理解できます。西洋医学的な免疫療法の手法と、漢方的な免疫療法の手法の組み合わせが、今後の癌免疫療法の課題であると思います。 |
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